セラミックジャイロが1つあれば、1つの軸に対する回転を測ることができます。2つを直角に組み合わせれば、タテヨコの2つの軸の回転を調べて、二次元的な動きを測ることができ、これはカメラなどに応用されています。
さらにセラミックジャイロを3つ組み合わせれば、 3つの軸に対しての回転を測ることにより、3次元的な回転を調べることができることになります。
つまり、前後左右、どのように回転しても傾けても、 その時の姿勢がどうなっているかを知ることができるセンサ、「3Dモーションセンサ」です。


図のように互いに直角な軸a、b、cにそって3つのセラミックジャイロを使えば、3次元的な回転を測ることができる。

ところが、セラミックジャイロだけでは3次元的な姿勢を調べることができないことが分かりました。セラミックジャイロは「どれだけ回転したか」を調べることはできますが、「どういう状態から」という、いわば基準となる位置や方向を調べることはできないからです。例えば、真っ暗な部屋でぐるぐる回ってみて、「今あなたは2回転半まわりましたが、出口はどの方向ですか?」と聞かれても答えようがありません。でも、もし最初は部屋に明かりがついた状態で、どの方向に出口があるか覚えておけば、その後部屋を暗くしてぐるぐると回った後でも、「何回まわったか」ということと考え合わせれば、出口の方向を間違うことは無いでしょう。この例えの中では「部屋の出口」が基準となる位置や方向になるのですが、3Dモーションセンサを実現させる為にも、同じような基準が必要なのです。


そこで基準として選び出されたのは、地球上でもっともありふれた 2 つのものでした。それは「地磁気」と「重力」です。地磁気を利用すれば、大昔から知られているように「北」の方向を知ることができます。また、重力の方向をセンサで測ることができれば、「真下」の方向を知ることができます。方位磁石と同じように地磁気の方向を調べることのできる「磁気センサ」、そして重力がどの方向からかかっているかを調べることのできる「加速度センサ」を 3 つのセラミックジャイロに組み合わせ、3 次元的な姿勢を知ることのできるセンサ、「3D モーションセンサ」が完成しました。


上下、左右、前後の 3 次元方向のそれぞれに一つづつジャイロを配し、それとペアになるように、上下方向に磁気センサ、前後左右方向に加速度センサを組み合わせてやります。そして、素早い動きがあった時は、ジャイロが重力センサや磁気センサに補正をかけ、ゆっくり動いている時は重力センサや磁気センサがジャイロを補正してやることで、すべての状態で、正確に 3D モーションをとらえることが可能になりました。