セラミックジャイロTM



 ビデオカメラやデジタルカメラの手ぶれ補正に欠かせない圧電ジャイロは、圧電振動子を使って、物体の回転運動をキャッチするセンサです。その原理はフーコーの振り子と同じで、圧電素子で棒を振動させて振り子と同じ働きをさせ、そこに動きが加わった時に生ずるコリオリ力を、圧電素子で電圧に変換して取り出すというものです。




 当社のセラミックジャイロの特徴は、振動させる棒が円柱状の圧電セラミックスで構成されていることです。この丸いセラミックスの棒一本に、電極を6個、印刷によって付けて分極処理をすることで、圧電素子を棒に3カ所貼ったのと同じ効果を持たせています。これに電圧を加えると、棒はくにゃくにゃ曲がる振動をして、全体が回転する時に、回る速さに比例した電圧を出力します。
 振動子が丸いセラミックスの棒である事の最大のメリットは、精度の高い加工が比較的容易にできる事にあります。従来型の四角い棒を使った場合は、厚みと横幅をそろえて、縦横の比率を同じに揃えるのが大変で、精密なものを作るのが困難でした。しかし、丸い棒は転がしながら加工する事で高い精度を保つ事ができるため、高い性能を保ったまま、素子を小型化していくうえで非常に有利なのです。
 実際、現在主力のCG-L53に使われているセラミックス棒は、太さ0.8ミリ、長さ9ミリのコンパクトサイズになっています。セラミックジャイロは動きに非常に敏感で、毎秒0.1度の低速の回転から、毎秒1500度の高速の回転まで、幅広いレンジの運動を捉える事が可能です。




 当社のセラミックジャイロは、これまでビデオカメラ用の手ぶれ補正を行うセンサ・デバイスとして広く活用されてきました。しかし、ジャイロの小型化を進めた結果、新しい用途が拓けてきました。その一つがデジタルカメラへの搭載です。
 デジタルカメラは、デジタル家電の新三種の神器の一つ。多くの人が注目の製品といっていいでしょう。このデジタルカメラで、最近、力が注がれるようになってきたのが、手ぶれ補正機能です。デジタルカメラは、コンパクトでスタイリッシュなデザインが強く求められているため、手ぶれ補正という付加価値を実現するにも、場所を取らない小型の圧電ジャイロが必要不可欠なのです。この傾向はさらに続き、近い将来には、携帯電話用のカメラにも手ぶれ補正機能を搭載できるようになるでしょう。
 小型化に有利な当社のセラミックジャイロは、これからのあらゆるカメラデバイスに、手ぶれ補正機能を提供していきます。





 それからもう一つ、セラミックジャイロの全く新しい応用として、ゲームソフトカートリッジへの搭載が始まっています。任天堂のゲームボーイアドバンス用のソフトに『まわるメイドインワリオ』というゲームがあります。このゲームは普通のゲームとは違って、ゲーム機を手に持って、くるくる左右に回すことで、様々なミニゲームをクリアするゲームです。これは、今までにないゲーム・システムで、ゲーム業界でも高い評価を受けており、直感的で楽しいゲーム内容となっています。
 この『まわるメイドインワリオ』のセンサ部分には、当社のセラミックジャイロが使われています。小型で高性能のジャイロは、このゲームの楽しさを演出するキーデバイスです。当社のセラミックジャイロは、ゲームの世界でも、新しい可能性を切り開いたと言えるでしょう。

 セラミックジャイロはまた、3Dモーションセンサにも使われています。3Dモーション・センサはセラミックジャイロを3つ内蔵しているため、最新の小型ジャイロを使ったものでは体積が30ccから6ccへと大幅にコンパクトになりました。これによって、バーチャル・リアリティやロボットへの搭載がより容易になっています。
 このほかホビー用のラジコン自動車やラジコン・ヘリコプターの姿勢制御用などにも、セラミックジャイロは用いられています。小型で高性能な当社のセラミックジャイロは、これから多くの分野で活用されていく事でしょう。