デカップリング・キャパシタは、100
キロヘルツ以下で使われるアルミ電界キャパシタ、100キロ〜10メガヘルツ帯のタンタルキャパシタ、100メガ〜ギガヘルツ以上に対応するセラミックキャパシタなどを、複数組み合わせ、合計で何十個ものキャパシタを用いることで、ようやくノイズを抑えることができました。
一方、プロードライザは、従来のデカップリング・キャパシタがカバーしていた、数10キロヘルツからギガヘルツまでの周波数領域のノイズを、1種類でカバーすることができるデバイスです。しかも、周波数の全領域で、従来のキャパシタの合成インピーダンスよりもインピーダンスの値が低いうえに、それが非常にフラットな特性を持っているという、優れた特徴を持っています。このため、これまで以上に、電源ラインを安定化させる特性を備えています。これにより、従来なら数十個必要だったキャパシタを、わずか数個のプロードライザに置き換えることが可能になりました。つまり軽薄短小化だけでなく、基板実装の負担も軽減し、さらに信頼性の向上にも貢献することができるわけです。
プロードライザを構成する素材は、ポリマーを用いて内部抵抗を低くした、導電性高分子タンタルキャパシタ“ネオキャパシタ”と同じです。しかし、その形に特長があって、シート状の電極に3〜4端子を付けたフィルタに類似する構造になっています。これが優れた特性の秘密で、この構造をとることで、電源ラインに沿って微小なキャパシタが多数並んでいるのと同等の効果が得られます。つまり、高速な電源供給には、距離的にCPUに近い部分に蓄えられた電荷が用いられ、より低速でたくさんの電力が必要なところには、徐々に遠い部分に蓄えられた電荷が用いられていくわけです。この素子構造の発想は、セラミックベースの、ギガヘルツ以上のノイズ対策部品では以前からありました。しかし、100〜200マイクロファラッドもある大容量の電解キャパシタでは、このような使い方の発想がありませんでした。大容量のものは動作が遅いので、それなりの分野でしか使えないと、誰もが信じ込んでいたわけです。
つまり、一種のコロンブスの卵的な発想の転換で、古くからノイズ対策に取組み、確かな電解キャパシタ技術の蓄積をもつ、NECトーキンだからこそ、できた発想だったといえるでしょう。 |
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