NECトーキンは、媒体であるカードやタグ、読み書き用の端末(リーダ・ライタ)などのハードウェアはもちろん、ICカード用のOSや、入退出管理のシステムソフトウェアまで、ソリューション全体を通した技術とノウハウを総合的に提供できる、日本では数少ないメーカーの一つです。
 たとえばタグの場合、ほとんどのメーカーはCOB(Chip On Board)といって、半導体メーカーから完成したモジュールを購入し、カードなどの形に加工して販売するという形を取っています。
 一方NECトーキンは、IC回路の製造は行わないものの、半導体メーカーからウェハーの形で購入し、それを薄く高精度に削ったり、個々のチップに切り分けたうえで、目的にふさわしい形状のアンテナを設計して取り付け、カードやタグに加工するという一貫生産を行っています。これによって、コストを抑えたり、高い品質を提供することが可能になります。
 また、長年培ってきたアナログ系の設計技術や、アンテナ技術、シミュレーション技術があるのも大きな強みです。




 このデジタル時代に、なぜアナログ?と思われるかもしれません。しかし、電波を使うRFIDの世界では、アナログ技術こそが重要です。
 電波は大変繊細なもので、部屋の形状や、鉄骨がどこにあるか、人がどの場所にたくさん集まるかなどのちょっとした環境の影響で、あるべき性能が発揮できなくなります。
 この場合、サイトエンジニアリングといって、環境を分析し、装置の配置や、タグに取り付けるアンテナの形状の設計、それが確かに機能するかを確かめるシミュレーション技術などが、高い性能を発揮させる鍵となっています。
 また、タグとリーダ・ライタは、通信距離や消費電力など、両者のマッチングが取れないと電波が共振せず、本来飛ぶはずの距離まで電波が届かないこともありがちです。この点、タグ側、リーダライタ側、双方のアナログ技術があるNECトーキンでは、最適のシステム構成を提供することが可能です。さらにNECトーキンには、様々なタイプのタグを可能にする材料技術や、テレホンカード等で実績のある品質の高いカードを製造するノウハウも揃っています。


 一口にタグといっても、色々なタイプが存在します。
 たとえば、回転寿司の皿などの食器は、衛生を保つため高温水で洗浄されます。そのため食器用タグは、食品衛生法に準拠した耐熱性の樹脂による加工技術が必要です。
 また、社員証や学生証のように、カードの表面に顔写真や名前などを印刷したり、残額などを印字するロイコ層をつけるためには、カード表面の平滑性を綺麗に保つ必要があります。あるいは、金属に貼り付けるタイプのタグでは、金属側に電波が出ると性能が低下するため、そちらには電波が行かないような層を設けるといった工夫も必要です。
 このように、顧客からこうして欲しいという要求があったとき、そのどんなものにも応えられる、あるいは、こんな事がしたいけれどどうしたらよいかという問いにも、最適のシステム構成を提案できる、そういった総合力をNECトーキンは備えています。




 NECトーキンのRFIDは、すでに多くの場所で採用されており、125KHzから2.45GHzまで各種ラインナップを取りそろえています。
 また、昨年秋のUHF帯の解禁を受けて、NEC、アメリカのインピンジ社と共同で、物流系の世界標準規格になると期待されている「UHF帯EPCグローバル クラス1Gen2」に準拠した、リーダライタとタグのトライアルキットの提供も始めています。
 NECトーキンは、高い技術と総合力で、これからのユビキタス社会の礎を、広く担っていきたいと考えています。